ボーナスから引かれる所得税はいくら?計算方法や注意点も紹介
2021.11.17
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この記事では、ボーナスから引かれる”所得税”について説明します。
「ボーナスが支給されたら何に使おう」と考えて、ワクワクしている人も多いでしょう。
しかし、ボーナスは全て受け取れるわけではなく、所得税や社会保険料が引かれます。
いくら引かれるのか、それを求めるための計算式も本記事で紹介するので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
そもそもボーナスとは
まずは、ボーナスの概要を説明します。
特に”どのくらい手元に残るのか”は、必ず把握しておきましょう。
ボーナスと給与の違い
ボーナスとは、毎月の給与とは別に支払われる給料のこと。
夏季手当・年末手当・期末手当などのことを指します。
賞与とも言われますが、意味は同じ。
ボーナスの支給額や支給基準は、決まっていません。
会社の純益を基準に支給されるため、業績が悪化すればボーナスなしというケースもあります。
ボーナスの査定期間や回数は企業によって異なりますが、夏と冬の年2回支給されるケースが多いみたい。
年4回以上支給される場合はボーナスとみなされず、月次給与(報酬)として処理されますよ。
ボーナスの手取りは約8割
後ほど具体的に説明しますが、ボーナスからは社会保険料と所得税が引かれます。
そのため、”ボーナス60万円”といっても、60万円が振り込まれるわけではありません。
ざっくり、ボーナスとして支給された金額の8割が手元に残ります。
60万円支給されるのであれば、手元に残るのは大体48万円ですね。
ボーナスから源泉徴収される税額は、国税庁が定める”賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表”をもとに決まります。
毎月支給される給与の源泉徴収とは、計算方法が異なるので注意しましょう。
ボーナスから引かれるお金の種類
まずは、ボーナスから引かれるお金の種類を説明します。
大きく分けると、引かれるのは”所得税と社会保険料”の2つ。
所得税
ボーナスからは、”所得税”が引かれます。
所得税とは、個人の所得に対して課税される税金のこと。
累進課税制度を採用しているため、ボーナスの金額が大きくなるほど、税率も高くなりますよ。
社会保険料
ボーナスからは、”社会保険料”も引かれます。
引かれる社会保険料は、”厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料・雇用保険料”の4つ。
以下では、具体的にどのくらい引かれるのかを説明します。
厚生年金保険料
厚生年金保険料の保険料率は、住んでいる地域や勤めている会社に関わらず誰でも”18.3%”。(2021年10月時点)
これを会社と半分ずつ納めるため、労働者が実際に負担するのは”9.15%”です。
計算式は以下のとおり。
厚生年金保険料=1,000円未満を切り捨てたボーナスの支給額×保険料率(0.183)÷2
健康保険料
健康保険料率は、加入している組合や勤務地などによって異なります。
自分の健康保険料率を知りたい場合は、加入している組合の公式サイトをチェックしましょう。
39歳以下と40歳以上でも、保険料率は変わりますよ。
また健康保険料も厚生年金保険料と同じく、会社と半分ずつ納めます。
健康保険料の求め方は、以下のとおり。
健康保険料=1,000円未満を切り捨てたボーナスの支給額×健康保険料率÷2
出典:転職Hacks
介護保険料
介護保険料の利率は、加入している健康保険によって異なります。
例えば、東京都の協会けんぽに加入している場合、介護保険料率は1.8%。
当然、会社と折半なので、実際に労働者が負担する料率は0.9%です。
ちなみに介護保険料は、40歳以上65歳未満の人しか引かれません。
雇用保険料
雇用保険料の料率は、勤めている会社の事業内容によって異なりますが、多くの人は0.3%が適用されます。
ちなみに会社が農林水産・清酒製造事業を行っている場合、労働者の負担割合は0.4%で、会社の負担割合は0.7%。
建設事業を行っている場合、労働者の負担割合は0.4%で、会社の負担割合は0.8%です。
詳しく知りたい人は、厚労省の公式サイトをチェックしましょう。
雇用保険料の求め方は、以下のとおり。
雇用保険料=ボーナスの支給額×雇用保険料率÷2
ボーナスから社会保険料が引かれる理由
せっかくのボーナスからなぜ社会保険が引かれるのか。
それは、”不公平をなくすため”です。
以前、ボーナスからは一律1%の社会保険料が徴収されていました。
しかし、毎月の給与を抑制し、そのお金を労働者にボーナスとして還元する動きが横行したのです。
そうするとで、企業が負担する社会保険料を少なくしようとしたんですね。
このことがあってから、平成15年度以降ボーナスの社会保険料も控除できる制度改革が行われました。
出典:カオナビ
ボーナスにかかる所得税の計算方法
ここでは、ボーナスにかかる所得税の計算方法を紹介します。
条件によって計算方法が異なるので、気をつけましょう。
通常の所得税計算方法
ボーナスにかかる所得税(源泉徴収税)は、基本的に以下の手順で計算します。
- ボーナスが支給される月の前月の給与から、社会保険料等を引く
- 1で求めた金額と扶養親族の数を、国税庁が出している”賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表”に当てはめ、ボーナスに乗ずる税率を求める
- ボーナスから社会保険料等を差し引いた金額に、2で求めた税率をかける
賞与が前月給与の10倍を超える場合
支給されるボーナスが、前月給与の10倍を超える場合、以下の方法で所得税を求めます。
- “ボーナスから社会保険料等を差し引いた金額÷6”
まずはこの計算式に当てはめて答えを出す - 次は”1で求めた答え+前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額”で答えを出す
- 2で求めた答えを、国税庁が出している”月額表”に当てはめて税額を算出する
- “算出した税額-前月の給与に対する源泉徴収税額”で答えを出す
- 4で求めた答えを6倍する
ボーナスの計算期間が半年を超える場合は、1の”÷6″を”÷12″に。
そして、4の”6倍”を”12倍”に変えてください。
前月の給与がない場合
ボーナス支給月の前月の給与がなかった場合は、以下の方法で所得税を求めます。
- “ボーナスから社会保険料等を差し引いた金額÷6”
まずはこの計算式に当てはめて答えを出す - 1で出た答えを国税庁が出している”月額表”に当てはめて、税額を算出する
- 算出した税額を6倍する
ボーナスの計算期間が半年を超える場合は、1の”÷6″を”÷12″に。
そして、3の“6倍”を“12倍”に変えてください。
ボーナスの税金に関する注意点
ここでは、ボーナスの税金に関する注意点をいくつか説明します。
特に、税率を下げようと考えている人は、注意してくださいね。
所得税率を下げる努力は得策ではない
ボーナスの手取りを増やすために、所得税率を下げる努力をしようと考えている人もいると思いますが、その努力はあまり得策ではありません。
なぜなら、引かれる金額は所得税よりも社会保険料の方がはるかに大きいからです。
社会保険料は、支給されるボーナスの金額で決まるため、もし減らしたいのであれば支給されるボーナスの金額を下げなければいけませんよ。
住民税は引かれない
給与からは、所得税と住民税が引かれますが、ボーナスから住民税は引かれません。
住民税は毎月の給与から天引きされる仕組みなので、引かれるのは所得税だけです。
納税額は、前年1年間の所得で決まります。
ボーナスを有意義に使おう | おすすめの使い道は?
“ボーナスからは、税金や社会保険料が引かれる”
これを聞いて「少し使い方を考えようかな」と思った人もいるのではないでしょうか。
そのためここでは、ボーナスのおすすめの使い道をいくつか紹介します。
貯金をする
特にお金の使い道がない、将来が不安、そのように感じているのであればボーナスの一部を貯金に回しましょう。
一般的に、”給与が支給されたら最低でも手取りの10~20%は貯金に回そう”と言われています。
30~40%貯金に回せれば、かなり優秀ですね。
普通預金にある程度お金が貯まっているのであれば、金利が高い定期預金の活用も検討してみて。
出典:保険の窓口インズウェブ
お世話になった人に恩返しをする
両親や恋人など、ボーナスが支給されたらお世話になった人に恩返しするのも◎。
相手がほしがっているものをプレゼントすれば、喜ばれると思います。
ものではなく、食事や旅行などの”経験”をプレゼントするのもよいですね。
ソーシャルギフトなら、ちょっとしたものも送れたり、日帰り温泉や映画チケットなどのプレゼントできるものもありますよ。
以下の記事では、ソーシャルギフトサービスおすすめ7選を紹介しているので、ぜひチェックしてみて。
自己投資に充てる
さらに成長したいと思っているのであれば、自己投資にお金を使ってみましょう。
「自己投資はハードルが高い…」という人は、まず本を購入してみてはいかがですか。
マンガ形式のビジネス本もあるので、活字が苦手な人でもスラスラ読めるでしょう。
本は一冊1,000~2,000円で買えるので、非常にコスパのよい自己投資です。
資産運用にチャレンジする
老後2,000万円問題解決やFIREなどを目指して、資産運用にチャレンジするのもひとつの手。
ただ、資産運用を始める場合は、まずリスクが低い金融商品から手をつけましょう。
「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA(ニーサ)」などがおすすめです。
FXや仮想通貨など、リスクが高い投資はお金を短時間で大きく減らす恐れあり。
投機要素の高い金融商品に手を出す場合は、リスク管理を徹底しましょう。
以下の記事では、ボーナスのおすすめの投資先5選を紹介しています。
資産運用が気になる方はみてみましょう。
まだ貴重なボーナスの使い道に悩んでいる方は、ボーナスの有効な使い道5つとは?をチェックしてみて。
こちらでは、20代におすすめの使い道から平均額まで紹介しています。
まとめ
ボーナスにかかる所得税について説明しました。
ボーナスからは、所得税と社会保険料が引かれますため、手元に残るのは大体8割です。
ちなみに住民税は引かれません。
毎月の給与から、引かれる仕組みでできているからです。
「所得税はいくら引かれるのかな」と思った人は、今回紹介した所得税の計算方法を参考にしてください。